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生後1年間授乳した乳児の糞便中と母乳中におけるプロバイオティクスの関係
この前向き無作為化二重盲検試験により、アトピー性疾患の罹患歴のある232名の母親の糞便、母乳中のL. reuteri、さらにL. reuteri ATCC 55730の経口摂取後の乳児の糞便中のL. reuteri に及ぼす影響の要素を確認した。
無作為に選ばれた母親に出産までの4週間に渡ってL. reuteri とプラセボを摂取してもらった。
出産後、それぞれの新生児にも同様の試験を12ヶ月続けた。
L. reuteri を摂取した母親から生まれた新生児の糞便中のL. reuteri の出現率はプラセボを摂取した母親の新生児と比較して高かった。
最も高い出現率を記録したのは生後5-6日目であった(L. reuteri 摂取82%:プラセボ摂取20%;P<0.001)。
初乳においてもL. reuteri を摂取した母親からは12%出現したが、プラセボ摂取した母親からは2%に過ぎなかった。
授乳において抗生物質の影響が現れない間は糞便中のL. reuteri 菌数を下げるように思われる。
L. reuteri 摂取はビフィズス菌やC. difficile のコロニー形成に対して影響を与えなかった。
結論:L. reuteri を経口摂取した母親の母乳と生後1年間L. reuteri を経口摂取した乳児からL. reuteri は必ず検出された。L. reuteri は摂取していない乳児の糞便からも検出されることもあった。